寒くなってきましたね。
沢山行を募集しても誰も釣れずヤキモキしていた所、荒天で山行中止したメンバーが付き合ってくれました。
シーズン終盤で体は出来上がってるので簡単すぎる沢は物足りない。
でも、寒いので濡れたくないし、日も短い。
こんな時期は、日々地形図から探している記録の無い沢が良いですね。
どうせブタ沢です。
期待値が低い分、滝の1つでも出てきたら満足できます。
メンバーの趣向で1000m以上の山をターゲットに、地形図とにらめっこ。
日帰りなので、あまり遠くまでは行きたくない。
松籟山の十八線川に目が止まります。
ちょっと短い気がするものの、いい感じの傾斜。
芦別岳の近くなので岩盤質でしょう。滝が期待できます。
実際に行ってみました。
ほぼほぼ地形図どおりCo400mくらいまで車で入れます。
林道もそんなに悪くなく、通行止めには広い駐車場がありました。
この時点で気温2度。
車止めから10分少々で最終砂防ダムが現れ、入渓します。
地形図に5つの砂防ダムがあるので心配していましたが、全く問題ありません。Co750m付近までは何もありません。
ブタ沢です。
地形図上でもCo750m付近から等高線が詰まっているので、期待半分疑い半分で進んでみるとF1を発見です。
良かった!滝が一つでもあれば当たりだ!なんて思ってました。
左側から巻き気味に上部へアプローチしてルーファイを試みました。
本流の落ち口へトラバースしつつ登れそうですが、シャワーを浴びそうだったので止めました。
左岸のルンゼから簡単に巻けます。
すぐに2つ目が出てきました。
立派な滝が2つもあるなんて、予想以上だ!と喜んでいました。
門状地形なので巻けませんが、登るのは簡単です。
スリップしてもウォータースライダーになるだけだと思いますが、この日の気温だと死活問題になるのでロープを出しました。
次は歩いて登れる小滝です。
正直、こんな感じの小滝が続いて終わりだろう。と思いました。
またすぐにF4が現れました。
前衛は突っ張りで濡れずに通過。
2段目は出だしがワンムーブ必要でした。
ヌメリがきつい沢ですが、岩自体のラバーのフリクションは良かったです。
またまたすぐに滝です。
あれ?この沢おかしいぞ。と思い始めます。
外傾してヌメリがきついですが、タワシとラバーなら苦労はしません。
F6は2段の小滝。
写真を載せるまでもないくらい簡単です。
そして、なんとF7でラスボス登場です。
期待を越えすぎていて、面喰いました。
まず、中間部を左から巻き気味に乗っ越しますが苦労しました。
リーダーのSさんが突破!
濡れても構わなければ、上部から水流に復帰して直登した方が簡単そうです。
そして、圧巻の最終段。
水流を横断して、奥の凹角に入れば直登の可能性を感じましたが、なんせ寒い。
左岸から巻くことにします。
ここも我らが頼れるリーダーSさん。
尾根まで上がれば歩けるかと思いましたが、ここが悪かった。
時期柄、葉が落ちてて木が生きてるのか死んでるのか見分けが付きません。
今山行の核心でした。
F8も一緒に巻いてしまいました。
沢に復帰するとCo950m付近。河原状。
連瀑帯は終わったようで一安心。
時間もだいぶ押しているので急ぎます。
見た目不安になる二股を入り、山頂を目指します。
すると・・・
もう滝は終わったと思っていたのに、とんでもない物が見えてきます。
もういいよ・・・。と思いましたが、登らないと進めません。
ヌメリが非常に強く、岩もぽろぽろ取れます。
おまけに冷たい。
ストレスフル。
上部の2段はシャワーになりそうだったので、右岸から巻いてしまいました。
Co1150m付近のベロ地形は草原になっていました。
ここから尾根に取り付いて、山頂を目指します。
山頂まで残り80mくらいまでは笹と鹿道で歩きやすい。
そこから50mほど灌木と這松の藪が鬱陶しいが、最後は薄い這松になって歩きやすいまま山頂へ到達。
最近降ったであろう雪が所々に残ってました。
山頂からの眺めは最高でした。
下山はできるだけ尾根を使います。
急がないと下山遅れで救助隊が出動してしまいます。
Co840m付近のベロ地形までの読図は、それなりに分かりやすかったです。
そこからCo480mあたりで沢に合流する尾根に乗るのが難しかったです。
途中で暗くなってしまい、ヘッデンでは地形も良く分かりません。
そんな中、素晴らしい読図でHさんが牽引してくれました。
沢に合流して、すぐに砂防ダムとご対面。
ブタ沢予定が、思いもよらぬ大当たりでした。
記録が無いのが不思議なほど、良い沢でした。
日本でもまだ、こんな冒険に出会えるのですね。
これだから沢は止められない。
体感グレードは!!くらい。
連瀑帯はCo770m~Co940mくらいの短い間に集中しています。
F7最終段の直登難易度とF8の具合によって、多少前後しそうです。
次は暖かい時期に!
コースタイム
7:00駐車場→9:00F1→13:10連瀑帯終了→15:30山頂→18:30駐車場