L・oyama SL・mimi M・miyo
日高の難関!!!*の沢。L・oyamaさんが長年温めてきた計画に、光栄にも7月初旬にお誘いを受けたmimiと私。本当に自分で良いのか?という不安を抱きつつ、プレも満足に出来ないまま時は過ぎこの日を迎えた。でも一番不安だったのはoyamaさんだったようだ。
5日(月)曇り 二ノ沢~歴舟川 1599南東面出合~Co610
二ノ沢橋の横に車を停め準備。
パッキングのセンスが無いだの、軽量化が甘いだの、あ~だこ~だ言いながら
楽しく出発。
二ノ沢に降りる。開けた沢で枯れた沢から始まり膝くらいの渡渉を繰り返す
小滝も出てきて快適。久々の重量級ザックに振られまくる。
ガレガレの急登。全装プレをできなかったツケがもはや。後半の体力温存のためマイペースで行かせてもらう。
やがて岩盤状になり
2時間弱で稜線へ。とにかく暑い。まだ曇りで良かった。
ヤオロマップへ下る途中に嫌悪なザレ場あり。
空身でクライムダウンする際、先に落としたザックの外付けマットに仕込んでいたうどんが飛び出したらしい。惨状は見ていないが下からoyamaさんの笑い声が谷に響き渡った
ちなみに3人ともRipenのザック。容量を超えるとバックル1個では雨蓋が横に動くらしい。今回50mロープを担当したoyamaさんとmimiには頭が下がる。
歴舟川の1599南東面出合に着いた。ゆったりとした流れの傍で幕営も良かったのだが翌日の時短を考えもう少し進む。
猫じゃらしみたいなカライトソウ。
1599南東面も美しい渓相で飽きない
Co610くらいの左岸でC1。薪も豊富。
初日はまずまず。焚火にあたり濡れた服を乾かす。
食事はmimiの斬新なアイディアで美味しいディナーだった。
※4日間、食当はそれぞれ担当したが、➋1599南東面~サッシビチャリ~ルベツネ北面 の巻末で一気に紹介!
この後、焚火の傍でゴロ寝するが、夜中近くに通り雨がきてツェルトへ逃げる。
その後は静かな夜だった。
12:00(二ノ沢橋)➡ 14:00(稜線)➡ 16:00(ヤオロマップCo579)➡16:20(歴舟川 1599南東面出合)➡16:45(C1 Co610)
6日(火) 曇りのち雨 Co610~1599峰~ルベツネ北面出合~Co825
4:00起床 寒い中mimiが素早く焚火を熾してくれた。お茶から始まる一日。
スタートしてほどなく沢は狭まり
ナメの斜滝や小滝が連続。
ここは新版・山谷にも載っていた滝
ルーファイ中
右岸の岩盤から行くが緊張
左岸から直登
滑る恐怖を抱えつつ黒光りのスラブを行く
Ⅴ字の奥にはガスの中に浮かぶ稜線が遠く見える
一時、傾斜が落ちて来たが
まだまだ小滝の連続
ゴルジュもある。重いザックに重心引っ張られる。濡れたくない!
鬱蒼としていや~な感じの
ここは一度左岸を試みるがイヤラシイ。手前の右岸から低く捲く
ついにCo850辺りの大雪渓。
左岸ルンゼから取付き、草付きの中をトラバースして1599に続くルンゼを探しながら高巻く
これが1599に突き上げる沢筋かなー。
このまま切り立った尾根を、木を掴みながら登っていき手頃なところで沢筋に降りる。リーダーのルーファイはいつも感心。
三点支持を駆使してほぼ岩登り。
1599南東面はお助け1回位で終わったが、さすが!!*、侮れなかった。
急な灌木と草付きをハァハァ言いながら1599に出た。ビンゴ。
結局ガスガスシケシケだったが1599峰踏めた喜びをヒシヒシと感じる
サッシビチャリ本流へと下降スタート
依然急なので心が休まらない
安全第一で懸垂。ガスの中に吸い込まれそう。
変わり果てた渓相に愕然のリーダー。前はゴルジュや滝もあったそう。
自然、恐るべし。
もう、使えるものは何でも使う主義に変わった。
リーダーが飛び降りれば、我々も飛び降りる。怖かったー
そうこうしているうちにCo740 ルベツネ北面直登沢出合に到着
Co825の二股に良いテンバがあるかも?とザック背負ったまま来てしまうが、後々悔やまれる。
ツェルト張った頃から小雨がパラパラ。それでも何とか火を熾す。風も強まり強制的に食事を済ませ、ツェルトの中で乾いた服に着替えそのまま夜を過ごす。一時雨が止んだのでそのまま就寝するが・・・
夜中に再び風雨強まり傍の川も増水傾向。このまま浸水に怯えて過ごすよりは…と迅速なリーダー判断で全て撤収し、高台でビバーク。3人ツェルトを被って寒い夜を過ごすが、mimiがエマージェンシーシートを出してくれて少しだけ凌げた。この時ばかりは強い精神力を問われた。
4:00(起床)➡ 5:45(C1 Co610)➡ 7:10(大雪渓 Co850)➡
12:00(1599峰)➡ 14:50(Co740二股) ➡ 15:10 (C2 Co825二股)
7日(水) 曇りのち快晴 Co825~ルベツネ北面直登沢~Co1130
朝。テンバだったところも増水もしておらず、風はあったが雨は止んでいた。ブルブル震えながらツライ一夜で熟睡などできなかったが3人とも無事に乗り越えた。
ツェルトの中で急いでガスに火を点け茶を入れ、とりあえずハニーナッツで体温を上げる。生き返った。
天気は回復傾向だと分かっていたので、多少出発が遅くなってしまったが計画通り進むことに。
最初の滝は朝一なので無理せず左岸から捲き気味で行くがちょっとイヤらしい。
ハイライトとも言うべき50mのハング滝は圧巻!
ウェディングベールのように優雅でありながら、えも言われぬ威厳も感じる。
右岸の岩盤を行けそうな気もするが安全重視で。
リーダー、リードで洞穴ルンゼを行くことに。ここからロープを出す
浮石多数。慎重に。この頃から日差しが照り始めホッとする。ハーケン&キャメ有効
いつもよりかなり慎重なのがリーダーの背中からヒシヒシと伝わってくる。
フォローが見える位置でピッチを切り続ける。
この先草付き悪く、右の尾根上にトラバース。
さらに洞穴があった。ひょっとしたらここからが本当の核心か?
洞穴の中には、懸垂で使ったと思しき残置ハーケンとロープが。
洞穴を抜けて悪しき草付きを行く。
足はあるが手がない。やはり核心はここなのかも。ここでまたピッチをきる。
昨夜あまり休めず、しかもずっとルーファイで神経すり減っただろうリーダーを労わるべくリード交代するが…。
ムズイ。リーダーが打ったゼロピンにザックを掛けて空身で行かせてもらう。この上も悪くハング下にハーケンで1ピンとってから傾斜のスラブをトラバース。そのハーケンは残置となる。
リーダー二番手で上がってきてもらってから…
ザック引き上げ。どこかで引っ掛かり回収困難かと思いきや、意外とスムーズに上げられた。
ハーケン二本の支点も三番手がクライム中にpoorになってしまう
滝の全景が見えてきた。三段目上の傾斜の緩いところまで何とか行きたい。
もう時間も押し迫ってきており、Cカールは断念
ここから左の尾根の手頃な所から樹林帯へ上がる。リードoyamaさん。
やっとロープをたたみ、薄い藪の中を大きくトラバースしながら捲く
こんな岩盤状のルンゼを2回ほど横切る。足場を選びながら行けば難しくない。
16:30を過ぎたころ 「ここでビバークしよう!」とリーダーから。水も取れる。
少しでも快適な場所に仕上げて、気が付けばこんな夕焼けに。
こじんまりと焚火。昨夜できなかったマシュマロ焼きも出来て、みんな疲れた心と体が少しづつ解放されていくようだった。
こうして三日目の夜もビバークになったが、前日の風雨に比べれば雲泥の差!
3人川の字になり星空のもと眠りについた。
7:15(C2 Co825)➡ 8:00(50m滝高巻き開始)➡ 15:15頃(登攀終了)➡ 16:50(C3 Co1130)
ビバーク場所●印