昨年末から計画していた利尻山西壁左リッジ。
仕事で休みが合わずプレ山行も満足にできない中、各々が自主トレし、モチベーションを維持し、怪我や健康管理もお互いに注意しあって、やっとこの日を迎えました!(リーダー:oyamaさん サブ:miyo singoちゃん )
【14日】
札幌を15時に出発。刻一刻と沈む夕日を海岸線から眺めながらのドライブ
抜海から、夕日に浮かぶ利尻山
稚内入りは19時頃。栄養をつけるべく、夕食はvictoriaへ!
(本当はoyamaさんオススメのデノーズに行きたかったが時間切れ)
【15日】
フェリーは揺れることなく鴛泊港へ。
穏やかな天気。予約していたタクシーで1時間もかからず栞橋で下ろしてもらう。ここから西大空沢をひたすら突き進む。一週間前に西壁に行ったパーティーの情報をもとにワカン無しで行くが、西日が当たる時間たまに埋まるくらいで、あとは問題なし。
芽吹く春。硬派なsingoちゃんが「カワイイ」と言っていたネコヤナギ。
ちょっぴり遠回りしたが、西壁の全景が見えてきて益々テンションが上がる。
…にしても、とにかく暑い。予め薄着で出発したのに汗だく。
一昨年、第一コルまでのルートを間違えた過去があるので、前もって正しいルートを皆で共有。今回は間違えないぞ!と確固たる決意。
真ん中に見える大きな掌岩を左へ進むが、直ぐに右上してしまうと・・・↓
切り立ったリッジに出てしまうので要注意!
掌岩の左股をしばらく真っ直ぐ進み、右に見える飛び出した尾根目がけて右上すると第一コル!
…そんなわけで、自分だけバテバテで第1コル到着。
1週間前に中央リッジパーティーが作ったテンバが良い形で残っていました。
少しだけ整地して、ありがたく使わせて頂く
第1コルから見上げるBフェース
こちらは西日が当たる中央リッジ。
微風の穏やかな夕刻。夕焼けと雪山に映えるエアライズ。明日のアタックに備え(そして軽量化に備え)まずは乾杯!
oyamaさん自家製の鹿挽肉の味噌そぼろをカレーに使わせてもらい、良いコクが出て美味!ズッキーニ投入に困惑されるが案外イケていたような。軽量化の余地あり
【16日】3時起床
いきなり急な大斜面を上がるが、ここでバイルが手からスルッと。運良く途中で止まってくれて回収。イッキに目が覚める。
C1を振り返る。
一昨年は、雪が悪すぎてここで敗退。今回は・・・
雪付きもよく締まっていて安定。下見に行ったリーダー、そのまま攀じる
リッジに出る。
こちらは2年前のもの。雪の付き方が全然違い雪質も悪かった
リッジから左側のルンゼに2~3m降り、Aフェースが見える方へ直上
Aフェース基部を左上気味にロープいっぱい使い、フォローはスタカットで移動。
振り返れば、前日遥々歩いてきた西大空沢の全景が見える
最後の核心部。Aフェースから左にトラバース。P1のコンタクトルンゼへ。
ここで急に日当たり良くなり雪の状態がガラッと変わる
核心部が過ぎ第4コルに到着してホッと一息。ここから望む仙法志はカッコイイ!
コルから左側を下降して第3ローソクルンゼに降りる。
日射はあるものの雪の状態は悪くないが、とにかく急登で気が抜けない。
このそびえ立つ壁がローソク岩だと思わず。ここからリードmiyo。ローソクルンゼに行かず、北峰に近いルート取りをしてしまう。
もしかして戻ることになるかも?と不安になったが、先ずは下見に行ってというリーダーの言葉で解決。安全なルートが見つけられた。
ロープいっぱいでスタカット。頂稜からの景色。映える赤。
頂稜
東北稜からも1パーティー。気持ちよさそうにクライミング!
晴れてピークに立つ!サングラスの奥で熱いものがこみ上げ、切磋琢磨した努力が実った瞬間。
全景図。
斜線のリッジ奥に沢型あり。掌岩の左側を進む
北稜の下山では、完登の余韻に浸りながら何度も何度も振り返る
長官小屋の周りはスキーヤーで賑わっていました
長官小屋でC2の計画だったが、3人とも余力あり。リーダーからの提案でイッキに野営場まで下山することに。電波のあるうちに翌日のタクシーを予約。
遠くに礼文島。紺碧の海。完登の余韻に浸るに申しぶんない景色だ
テンバで使う水を調達&枯渇して乾いた喉を潤す
野営場には屋根付きテントブース。夜は軽量化で少なくなったお酒をチビチビ飲みながら遠征を終える喜びを分かち合う。翌日はもう重たい装備を背負って歩かなくても良いんだ!という安堵感。目の前までタクシーが来てくれるという贅沢な気分。頑張って野営場まで降りてきてヨカッタ~
17日の朝。3日間、お世話になった利尻ともお別れ。
9:05分 鴛泊港発のフェリーに乗って稚内へ。温泉&ランチ。
oyamaさんは仙法志Ⅱ稜から次は西壁を・・・という願いが叶う!
singoちゃんは初の利尻が冬の西壁で、しかも快晴の中での完登!
私は一昨年の悔しい敗退から念願の登頂!(反省点も残りますが)
モチベーション高いメンバーと思い出深く幸せな山行でした!
来年も継続していけるように、また精進していこうと思います。
【14日】
15:00(札幌発)→19:00頃(稚内着)
【15日】
6.55(稚内港)→ 8:35(鴛泊港)→9:30(栞橋)→15:00(第1コル)
【16日】
5:00(第1コル)→8:30(Aフェース)→10:15(第4リッジコル)
→13:15(頂稜)→13:25(北峰)→14:20(長官小屋)→16:00(野営場)
【17日】
9:05(鴛泊港)→10:45(稚内港)→18:00頃(札幌着)