shingoから続きます
8月13日 レスト日 BCの引っ越し決定 マラングッティサールを断念して残りの登山期間をどうするか検討した結果
各自の体調や希望を考慮しoyama, matsu、yukikoでモムヒル氷河の途中にあるアンバリンサールにチャレンジすることにしました
5月にフランスのスキーヤーが登った情報、ジオグラフィカでの地形検討、高度順応が出来ているのでこのまま下山はもったいないという思いからです
アンバリンサールは40年前の報告書では標高6171mとありますが、ジオグラフィカでは6120mとなっていました
厳しかったら無理せず撤退と決め、14日から3泊4日で登ろうとしていたのですが・・・

二日連続でBC近くに土石流が発生して、キッチンテント裏に大きい水たまりが出来ました

エージェントとアリが衛星携帯で相談、急遽明日BCをアンバリンに移すことになりました
パキスタン北部では、今年温暖化の影響で氷河が解け洪水被害が多発、村を流されたキッチンスタッフもいます
8月14日 BCをアンバリンに引っ越し
アンバリンまでは片道1時間半程度
大量の装備を3往復で下げようと考えていましたが、 1往復終わったところで、途中の川が時間とともに増水するため「あと1回で全部下げるよ」とアリに言われましたΣ(・□・;)

2回分の荷物を根性パッキング+ザックに外付けでどうにかまとめます
よろよろの私に比べボッカのバイト経験のあるmatsuは余裕の笑顔
重荷から解放され新BCに到着~
氷の上ではない緑の地面はなんと落ち着くことでしょう

シェフがアックスで割っているのは夕食のメインディッシュのヤギの頭部です
BCで食べるたんぱく質は卵、豆、生きたまま連れてこられるヤギとチキンです
今回連れてこられたヤギは頭のてっぺんから足の先まで余すことなくいただきました
見た目は衝撃的でしたが、恐る恐る食べるとシンプルな塩味で美味しかったです

明日から1日遅れでアンバリンに挑戦です
8/15 BC 6:00→C1(4900m付近)12:30
今日は水の取れるところまで標高約1000m登らねばなりません
水を3l持ったら結構な重さになりあえぎながら急な登りを進んでいきます

BCを振り返る

急登から尾根に乗ると草原とお花畑が広がり「風の谷のナウシカ」のワンシーンの中を歩いているようでした
ケルンはたぶん5月に登ったフランス人の物

oyamaとyukikoはおなかの調子が今一つで思い当たるのは昨日のヤギの頭?
matsuは食べていなくて無症状だし、一番もりもり食べていたshingoはBCで激しい下痢に苦しんでいたためです

見えている岩稜の先を回りこむルートを選択します
その先がどうなっているかで行けるか敗退かなのでドキドキ
岩稜を回り込むと急斜面をトラバース出来そうです
トラバース後緩斜面が続き、斜面中間に石交じりですが水流がありC1としました

酸素の薄い中アックスで整地します 喘ぎながら1時間弱かかったでしょうか
5000mを超えると安静時でも酸素飽和度は70%ちょっとなので、激しい動きでは気が遠くなります

氷河を挟んだ向いの斜面からは絶えず激しい落石があり、夜間も爆裂音が響いて3人ともあまり眠れない夜を過ごしました

そのころベースキャンプでは・・・miyoは景色や食事を堪能していたようです

アンバリンの登山中ではないけれど、今回シェフが工夫を凝らして作ってくれた食事の一部です
朝はチャパティ(平べったいナンみたいなもの) とオムレツが定番 右側はオートミールのお粥で持参したふりかけが良く合いました

夜は白米かビリヤニ(肉の炊き込みご飯)、スープ、サラダやパスタ、肉料理などシェフは私たちの好みを考慮し辛さを抑えてくれて、毎回とても美味しく食べられました


パキスタンはフルーツがとてもおいしい国でした 山でも下界でもマンゴーはたくさん食べましたね~

山の中ではモンベルのリゾッタシリーズか白米、それにフリーズドライのおかずを組み合わせお湯で戻して食べます
今回フードボス(現地スタッフの呼び名)miyoがセレクトしてくれたアマノフーズのみそ汁は評判が良かったです 日本人はやっぱり味噌汁ですね

8/16 C1 6:00 →C2(5550m)10:00
昨日高度を上げた分、今日は500mくらいの登りでゆっくり順応の予定です

フレーク岩の急登にはだいぶ慣れましたが、ルートファインディングを怠ると足を取られ体力が削られます
そしてこのフレーク岩で靴がかなり傷みました(;_:)

やっと氷河の末端が見えてきます

比較的平らで、氷河のわきに下りれば水が取れそうな場所をC2としました
20~30メートルガレ場を下り水を取りに行くビックボス(現地スタッフの呼び名)oyama 水を取りに行くのも落石の危険で気が抜けません

時間もあるのでまた喘ぎつつ1時間半かけて整地
テントを張ったあとは装備を干したりのんびり景色を見たり
昨日の爆裂音が嘘のような静かな夜で、長時間同じ場所にいたためなのか夜も苦しさで目覚めることはなく良く眠れました

そしてBCでは・・・
BCとは9:00、12:00、15:00、18:00に無線で交信をしていました

スタッフとshingo、miyoで元のBCに残していた装備を荷下中

下痢で絶不調なのに荷下げしてくれました 責任感強いshingo

荷下げを労うアリ

8/17 C2 6:00→頂上 11:30頂上 →C2撤収 14:15 →C1 16:00
C2から見えるピークはなだらかで、3時間くらいで楽勝に登れそうに思えます

しかしC2が5500mなのでそんな甘くはありません
酸素の薄さと戦いつつじわじわ高度を上げるので当然時間がかかります
やっと雪が出てきてアイゼン装着
C2からは見えなかったクレバスもあり、視界不良のためコルを目指しトラバース

10歩歩いて呼吸を整えるのを繰り返します 斜面が緩くなっても30歩以上連続で歩けません
ビッグボスoyamaは調子が良く先頭をリードしてくれます

5950m付近で、やはりC2からは見えなかった30~50mくらいのクレバスが立ちはだかり、視界不良で左右どちらから巻けば良いかも見えない状況でした
撤退の文字がよぎりましたがmatsuの「天気待ちしましょう!」の力強い言葉で視界が開けるまでしばし待機
壁の左側をoyamaが偵察したところ、アックスを使えばロープは出さず取り付けそうでダブルアックスで後を続いて行きます

急斜面を登り切ったところです
この後緩斜面になり「ピークに立てる」と確信したら嬉しさで嗚咽しそうになりました
嗚咽で呼吸が乱れたとたんに激しい呼吸困難が襲い、必死に嬉し泣きを我慢

ここが一番高いと思われる場所で写真撮影
力不足でマラングッティには届かなかったけど6000m超えのピークを踏めたことが満足です
BC、ABC間を何往復もしたこと、マラングッティ5000mまでの荷揚げ、BCの引っ越しの重荷など全部が無駄ではなかったと思いました

頂上ジャンプ!このショットが取れるまで5~6テイク

登った斜面をラッペルで下山かと思っていましたが、視界が開けコルに下る稜線が歩けそうなのが見えました
ナイフリッジに見えましたが

行ってみるとそうでもなかったです

下山途中でmatsuが急に足に力が入らなくなります
急に高度障害が出たとは考えにくく、頂上ジャンプのテイクショットの繰り返しが原因と思われ慎重に下山

C2を撤収してC1の下のナウシカの谷で泊りたかったのですが、時間の余裕なくまた爆裂音のC1に泊まることにしました
C2撤収中に圧縮袋に入れた私のシュラフが落下!
おむすびころりんのごとく遥か下まで転がっていきましたが無事回収できました
8/18 C1 6:15→9:30 BC
今日はゆっくり下るのみです
BCに降りているとポーターたちが作業をしているのが見えました
アイベックスの狩猟の石室の拡張作業でsingo、miyoも参加していました


登頂のお祝いにブーケや首飾りの用意もしてくれていいました

shingo、miyo、スタッフ、作業していたポーターさん全員が出迎えてくれました

無事下山!


午後から荷造りして明日からバックキャラバン開始です
早くシャワーも浴びたいけど、山から降りるのが名残惜しい
色々辛かったけど楽しさの方が勝っていたし、来て本当に良かったです
バックキャラバン編はshingoに続きます
