体育の日の連休、下北半島のハーフドームこと縫道石山でアルパインクライミングを堪能してきました。
10/9はみんなダッシュで仕事を終え、苫小牧へ向かう。フェリーではもちろん宴会。次から次へとつまみが出てくる…。
10/10、早朝に起き、ドライブ開始。下北半島を約4時間のドライブ。八戸で朝食、むつでビールや氷などを買い込み、登山口へ向かう。
登山口から30分ほどのアプローチで岩の基部に着く。途中に展望台があり、登攀ルートを遠目に確認することができる。
左のスカイラインが西陵、中央の顕著な稜線が南東稜(写真のトレースが正確かは不明…)、その右に顕著な左上クラックがあり、それが傷だらけのクラック。右のスカイラインが東稜。
城-三宅P、長水(恵)-浜島pが西稜、長水(洋)-井村Pが緑友ルート、薮崎-遠山Pは南東稜からHCCルートを目指す。
南東稜と西稜は基部に沿ってアプローチする。ハイキングコースの針葉樹の植林が終了し広葉樹が広がるところで少し開ける。そこから少し上が岩の基部であり、その開けたところから道無き道を歩き、顕著なツルムの下を目指す。途中でかなり岩に近寄ると踏み跡があり、快適であった。登攀開始地点は少し上がったところにあるテラスで、岩が突出している部分の左側にある。まっすぐテラスに上がろうとするとワンポイントで3級のクライミングになってしまうので、左側から回り込む。以下、南東稜の記録(グレードは過去の資料を参考にした、筆者の体感グレード)
1P 薮崎 4級+ ハーケン沿いに登るが出だしが厳しい。朝イチの体に優しくないスタート。ほぼ真上に進み、やや左手にあるクラックを登りテラスで適当にピッチを切る。砂時計へのタイオフとキャメロットで支点を作成、30mくらいか。2Pとまとめて登ることもできたかもしれない。
2P 遠山 3級 右へトラバース気味に登り、チョックストーンが見えるテラスの支点でピッチを切る。残置あり。
3P 薮崎 4級+ 右のクラックを登る記録もあるようだが、2011年の栗原さんの記録に忠実に、チョックストーンの左の狭い隙間を通る。ザックを背負っては通れないため、荷物を落とさないように通り抜ける。その後、左手に出てくるフェースを登るが、残置は少なく、キャメロットも取りにくい。ホールドは基本的に大きいが、ランニングが少なく緊張を強いられる。おまけに、風が強く怖い。何とか登り切り、広いテラスでピッチを切る。ここも残置はなくキャメロットで支点を作る。なお、左草付きのルンゼから登る方法もあるようだが、岩登りではない。テラスからは西稜がよく見え、声も通る。この時点で、集合(15時)には間に合わなさそうだったが、懸垂で降りるのも大変そうなので、登り切るのが良いと思い登攀続行。そしてここもまともな残置はなく、カムで支点作成。
4P 遠山 4級 左のルンゼを詰め、チョックストーンを登る。ジムにはない立体的な動きを要求される。キャメロットが非常に有効。
5P 懸垂(15~20m) ロープが絡み、時間のロス。。。
6P 薮崎 3級 目の前の素晴らしく怖そうな壁には向かわず、懸垂終了地点から右手へトラバースする。懸垂の着地地点より高度を下げないで、岩をトラバースするように進む。2mほどのクライムダウンをすれば、目の前にチョックストーンを伴ったチムニーが現れる。この手前の灌木を支点とする。
7-1P 遠山 4級 チョックストーンの上まで。空身でチムニー登りをするのが快適なよう。短距離なので、荷揚げ。
7-2P 薮崎 5級? ホールドの少ないフェースを登り、中央バンドに出る。前半の核心のようだが、恐怖感は3Pの方が上、ワンポイントの難しさでは1P出だしの方が上。HCCルートの基部まで歩き、灌木でビレイ。
8-2P 遠山 4級 フェースのホールドが少なくツツジを掴むが、かなり不安定でツツジが抜けそうになる。全体重を預けたくない…そしてスタンスが少なく恐ろしい。
8-2P 薮崎 4級 比較的快適なクラックを登るが、自分はチムニー登りで解決。ハング下の外傾したテラスにリングボルトがあり支点とする。
9P 遠山 4級A0 残りのクラックを登りハング下に出る。ピンに残置スリングがかかっている。直前の台風の影響か水が流れており、快適とは言い難い。残置でA0するにしても、抜けそうなハーケンやとても古いスリングを使うのは勇気がいる。
10P 薮崎 3級 草付きや簡単な岩登りで、頂上に向かってロープを伸ばす。支点はカムかナッツで。
なお、7Pと8Pは過去の記録では1ピッチで登られているが、現場判断により分割した。
また、自分がリードしたピッチは恐怖感のため辛めにつけているかもしれない。
1P目。写真中央やや上の尖った部分の下が凹角になっており、チムニー登りのウォーミングアップになる。その上をビレイ点とした。
3P目。チョックストーンをくぐり、恐怖のフェイスクライミング。
3P終了点から西稜を望む。ちょうど城P、長水恵Pが稜線上のテラスに着いたところだった。
8-2P目。しっかり支点が決まり、まっとうなクラック登りができる。
11/11
城-三宅P、長水(恵)-浜島Pが東稜、長水(洋)-井村P、薮崎-遠山Pが西稜。我々は東稜に行く予定であったが、競合していたため西稜に行くことになる。
基部へのアプローチは南東稜の延長。南東稜への踏跡をたどると、途中やや藪漕ぎを強いられる場面がある。西稜直前はガレ場なので、ある程度歩きやすいところにルートを見出すほうが、藪漕ぎが少なくて楽かもしれない。西稜は末端から取り付くのではなく、途中のコルから登攀を開始する。コルに上がる手前にワンポイントで3級の部分があるが、ノーロープで越えた。
1P 薮崎 4級 左手の巨大なチョックストーンを使わず、正面の顕著なクラックに沿って登る。ランニングは取りやすく、ジャミングも快適に決まるので、難しくはない。草付きを歩き灌木でビレイした。
2P 遠山 3級 稜線に出ず、右に回り込む手前でピッチを切る。
3P 薮崎 3級+ 先行Pの洋さんは右上クラックを登っていたが、結構悪いとのこと。素直に大きく右に回り込み、凹角を詰める。稜線上のテラスでピッチを切るが残置はリングボルト1つ。キャメで補強し支点とする。2Pとまとめて登ることも可能か。
4P 遠山 4級 テラスから少し右に回り込み、残置に導かれるようにスカイラインを直上する。高度感があり緊張する。傾斜の落ちる所でビレイ。
5P 薮崎 2級 ほぼ50メートルの稜線歩き。カムで支点作成。
6P 遠山 2級 ほぼ50メートルの稜線歩き、草付きでビレイ。
7P 薮崎 3級 大部分は草付き登り。一部はスラブ。最後の核心である凹角の下で、灌木を使いビレイ。
8P 遠山 4級+ 凹角は見た目より難しく、西稜の核心。
9P 薮崎 4級? 本来であれば左側から登るべきところを右側から登ったため、ワンポイントでやや難しくなってしまった。難しくはなかったが、ホールドがトゲトゲで痛く、また岩茸が多く登りにくかった。
西稜へのアプローチ。末端ではなく、写真やや右側にあるコルを目指す。
8P目。5級に格上げしてもいいのではと思うくらいの難しさでした。
コースタイム
10/9
21:15 苫小牧 フェリー出航
10/10
4:45 八戸 フェリー着岸
8:45 縫道石山登山口発
9:45 南東稜登攀開始
11:45 ツルム中間のテラス(小休止)
14:40 中央バンド
16:45 頂上
17:15 基部
10/11
7:30 登山口発
8:30 西稜基部
10:15 主稜線の中間テラス
12:00 最後の核心(凹角)手前
13:10 登攀終了
13:20 頂上
15:00 調理&飲酒開始
10/12
14:10 大間 フェリー出航
15:40 函館 フェリー着岸
おまけ